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動画でもWebでもなく、音声が向いている情報とは

コラム社内コミュニケーション

動画、Web、紙、音声にはそれぞれ役割があります。企業の情報発信を継続して運用するうえで、なぜ音声が有効なのかを考えます。

前回は、なぜ今、クローズドポッドキャストなのかを書きました。第2回は、もう少し具体的に、「動画でも、Webでも、紙でもなく、音声が向いている情報とは何か」という話をしてみたいと思います。

最初に言っておくと、これは動画が古いとか、Webが弱いとか、紙がもういらないという話ではありません。むしろ逆です。動画には動画の強さがあります。WebにはWebの強さがあります。紙やパンフレット、チラシ、ポスターのような平面にも、まだまだ役割があります。そのうえで、企業の情報発信を考えたときに、「これは音声の方が続けやすい」、「これは音声の方が伝わりやすい」という情報があるのではないか、という話です。

まず、動画は強いです。これは映像制作会社として、はっきり言えます。人の表情、現場の空気、商品の動き、会社の雰囲気。そういうものを短い時間で伝える力は、やはり動画が強い。会社紹介映像、採用映像、IR映像、展示会映像、研修映像。私たちも25年にわたり、企業が伝えたいことを映像にしてきました。

映像は、理解を一気に進める力があります。初めて会社を知る人に、事業内容や空気感を伝える。採用候補者に、働く人の表情を見せる。展示会で、足を止めてもらう。経営方針を、印象に残る形にする。こういう場面では、動画はとても有効です。

実際、市場も伸びています。矢野経済研究所の調査では、国内動画制作サービス市場は、2024年度に4,238億円、2025年度は4,580億円へ成長すると予測されています。さらに2027年度には5,400億円規模まで拡大するとされています。

引用:「国内動画制作サービス市場は2027年度に5,400億円規模の拡大を予測」

出典:矢野経済研究所「国内動画制作サービス市場に関する調査を実施(2025年)」

また、サイバーエージェントとデジタルインファクトの調査では、2025年の国内動画広告市場は8,855億円、2029年には1兆6,336億円に達すると予測されています。つまり、動画はこれからも伸びます。企業活動の中でも、ますます必要になると思います。

ただ、動画には弱点もあります。作るのに時間がかかります。撮影、編集、テロップ、MA、確認、修正。ちゃんと作ろうとすればするほど、当然、手間も費用もかかります。もちろん、それが悪いわけではありません。大切な映像には、きちんと時間と費用をかけるべきです。ただ、毎週、毎月、継続的に情報を出していく手段として考えると、動画だけで運用するのは、少し重くなることがあります。

次にWebです。Webサイトやオウンドメディアは、情報を整理して蓄積する場所として非常に強いです。検索される。比較される。問い合わせにつながる。資料請求につながる。あとから何度も読まれる。これはWebの大きな強みです。

電通の「2025年 日本の広告費」では、2025年のインターネット広告費は4兆459億円となり、総広告費に占める構成比は50.2%とされています。

引用:「インターネット広告費は、4兆459億円」

出典:電通「2025年 日本の広告費」

この数字は、企業の情報発信がデジタルを中心に動いていることを示しています。Webは、調べる人にとってはとても便利です。知りたい人が、知りたいときに見に来られる。情報を体系的に置いておける。SEOや広告、CRMと組み合わせれば、営業活動にもつながります。

ただし、Webにも弱点があります。それは、基本的には「見に来てもらう」必要があることです。社内ポータルに載せました。お知らせに掲載しました。PDFをアップしました。これで本当に伝わったのか。ここは、意外と見えにくい。

特に社内向けの情報は、検索されるというより、日々の業務の中で受け取られるものです。受け手が忙しければ、開かれない。開かれても、最後まで読まれない。重要な内容でも、他の連絡に埋もれてしまう。Webは「情報の置き場」としては強い。でも、情報の温度や話し手の気持ちまで届けるには、少し工夫が必要です。

では、紙や平面はどうでしょうか。紙は古い、と言われがちです。でも、これも違うと思います。紙には、一覧性があります。手元に残せます。会議で配れます。現場に貼れます。高齢層や店舗、工場、学校、医療、自治体のような現場では、紙の方が伝わりやすい場面もあります。

商業印刷の市場も、なくなっているわけではありません。電通の「2025年 日本の広告費」では、広告関連市場として、商業印刷市場は1兆7,500億円とされています。

引用:「商業印刷市場 1兆7,500億円」

出典:電通「2025年 日本の広告費」

紙は、見るべき情報をその場に固定する力があります。ポスターで注意喚起する。パンフレットで全体像を伝える。チラシで持ち帰ってもらう。社内掲示で何度も目に入るようにする。これは、Webや動画にはない強さです。

ただ、紙にも弱点があります。更新しにくい。配布後の反応が見えにくい。話し手の声や背景までは伝えにくい。つまり、紙は「残す」「掲示する」「一覧で見せる」には向いています。でも、継続的に人の気持ちを動かしながら伝えていくには、別の手段も必要になります。

ここで音声です。音声は、動画ほど見せる力はありません。Webほど情報を整理して置けるわけでもありません。紙ほど一覧性があるわけでもありません。だから、万能ではありません。でも、音声には音声の強さがあります。

まず、ながらで受け取れます。移動中。作業の合間。出勤前。休憩中。現場から現場へ移動している時間。画面を見続けなくても、耳で受け取れる。これは、企業の情報発信ではかなり大きいと思います。

そして、声には温度があります。経営者の言葉。部門長の説明。現場社員の話。研修の補足。社内イベントの振り返り。取引先や加盟店へのメッセージ。同じ内容でも、文字で読むのと、声で聞くのでは受け取り方が変わります。

もちろん、声にすれば何でも伝わるわけではありません。話が長すぎれば聞かれません。音が悪ければ聞きにくい。構成が弱ければ、途中で離脱されます。だからこそ、音声も「収録すれば終わり」ではありません。

何を話すか。誰が話すか。何分にするか。どういう順番で伝えるか。どこをカットするか。音の聞きやすさをどう整えるか。ここには、きちんと制作の技術が必要です。

つなぐVoiceは、ただ音声をアップロードする箱として考えているわけではありません。私たちは映像制作会社として25年、企業の「伝えたいこと」を整理し、映像や音声にしてきました。

言いたいことを、そのまま並べるのではなく、受け手に伝わる順番にする。話し手の良さを残す。不要な部分を整える。聞きやすい音に仕上げる。これは、実はかなり大事です。

社内向けだから、音が悪くてもいい。身内向けだから、構成は適当でいい。そういう考え方では、たぶん続きません。むしろ社内向けだからこそ、聞きやすさは必要です。忙しい社員や関係者に聞いてもらうなら、なおさらです。

音声は、制作のハードルを下げながらも、継続的に運用しやすい情報発信です。毎月の経営メッセージ。部門ごとの共有。研修の補足。営業向けのナレッジ共有。店舗や工場への連絡。社内ラジオ。取引先向けの限定配信。こうした情報は、一度きりの大きな映像にするより、音声で定期的に届けた方が向いている場合があります。

特に、社内コミュニケーションは一回で終わるものではありません。大事なのは、続くことです。年に一度、立派な映像を作る。それも必要です。でも、それだけでは届ききらない情報があります。

毎月、声で伝える。短く、聞きやすく、必要な人に届ける。聴かれたかどうかを見る。反応を見て、次の内容を少し変える。こういう運用ができることが、音声の価値だと思います。

日本の広告市場を見ると、動画、Web、紙、リアルイベントは、それぞれ大きな市場を持っています。一方で、音声単体の広告市場は、動画やWebほど大きいわけではありません。

電通の「2025年 日本の広告費」では、ラジオ広告費は1,153億円、ラジオデジタルは38億円とされています。数字だけを見ると、音声は小さく見えるかもしれません。

ただ、ここで見ているのは広告市場です。つなぐVoiceが考えているのは、広告としての音声だけではありません。社内に届ける。関係者に届ける。限られた相手に、必要な情報を継続して届ける。この領域は、まだ市場として大きく名前が付いているわけではないと思います。だからこそ、これから形になっていく余地があります。

これからの企業発信は、ひとつのメディアだけで完結しないはずです。会社の全体像はWebに置く。印象づけたい場面では動画を使う。手元に残したい情報は紙にする。そして、継続して届けたい言葉は音声で届ける。こういう使い分けが、もっと自然になっていくと思います。

動画か、Webか、紙か、音声か。そういう対立ではありません。情報の性質によって、届け方を変える。つなぐVoiceは、その中でも、「継続的に、必要な人へ、声で届ける」という役割を担うサービスです。

映像制作会社として、企画や構成を考える。収録も、整音も、編集も、プロの技術で行う。配信して終わりではなく、聴取データを見て、次の発信につなげる。ただの社内ポッドキャストではなく、企業の声を、ちゃんと届く形にしていく。そこが、つなぐVoiceでやりたいことです。

動画でもWebでも平面でもなく、音声が向いている情報はあります。それは、派手に見せる情報ではなく、継続して伝える情報。一度で理解させる情報ではなく、少しずつ浸透させていく情報。外に大きく広げる情報ではなく、必要な人に、きちんと届ける情報。そういう情報に、音声は向いていると思います。

本記事は、株式会社サイズビジョンが運営するつなぐVoiceの編集チームが、業界動向をもとに作成しています。

参考にした出典:

電通「2025年 日本の広告費」

矢野経済研究所「国内動画制作サービス市場に関する調査を実施(2025年)」

サイバーエージェント/デジタルインファクト「2025年国内動画広告の市場調査」

日本印刷産業連合会/いんさつPlaza「印刷産業の規模」

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